昨日は雪が降りました。山梨で11月の初雪は50数年ぶりとニュースで言っていましたが、幸いほとんど積もることもなく雪かきの必要もありませんでした。今後は凍結することはあるかもしれませんので気を付けましょう。
雪と言えば思い出されるのが3年前の記録的大雪です。あの大雪のことは今でも語り草になるくらいで、皆さんも色々な武勇伝があるかもしれませんね。
私は当時県立中央病院の新生児科に勤務していました。金曜の夜、降り始めてかなり積もってきたころになんとか帰宅しましたが、翌土曜日はまた出番でした。翌朝に出かけられるようにと車庫の前をばっちり雪かきして寝たのですが・・・。
翌朝起きて愕然としました。きれいにしたはずの車庫前が既に70-80cm積もっていて、さらにかいてもかいてもまだ降り続いてきりがありません。これはどうがんばっても車では行けないと悟りました。しかし病棟には毎日の検査や治療が必要な赤ちゃんがたくさんいます。週末は当直医ともう一人の2人で病棟の仕事を全部まわさなくてはなりません。1人では大変です。私は意を決して歩いて行くことにしました。
胸の高さ近くまで積もっている新雪をラッセル車のようにかきわけながら大通りまで歩き、そこで4WDの車高の高い車に乗っている義兄に拾ってもらってアルプス通りを甲府まで乗せてもらい、その後細い道には入れないのでまたそこから歩いて中央病院まで行きました。
着いたのは午後2時くらいでした。結局歩いた距離はせいぜい3km程度だったと思うのですが、雪をかきわけながら進んだ下半身がバキバキになっていました。一休みして仕事をしていましたが当日の当直医は来ません。夕方に連絡してみたら、やはり車は無理で歩いて向かったもののまだ半分も来れていない、とのことでした。遭難する前に帰宅してもらい、私1人でなんとかすることにしました。
翌日の日曜日の当直医と当番医は学会で県外に出ていたのですが、山梨県内に戻ることすらできず、やはり誰も来れませんでした。結局2日間ほぼ一人でしたがなんとか病棟を守りました。
辛かったのは食事がなかったことで、売店にも食料品はほぼなく、食堂も当然開いておらず、医局にストックしておいたカップ麺だけで過ごしました。助かったことは水道や電気などのライフラインが生きていたことで、これが駄目だったら病棟の赤ちゃんたちがどうなっていたことか・・・。
結論。大雪はもういりません。